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秋季キャンプコラム

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2023.11.10
日本一達成!もっと強いチームに
11月1日(水)〜11月9日(木)

18年ぶりのリーグ優勝からクライマックス・シリーズを勝ち抜き、パ・リーグ覇者オリックスとの日本シリーズへ。第7戦までもつれこむ激闘の末、関西対決を制した。38年ぶりとなる日本一を達成。11月5日、2023年の長いシーズンが、歓喜の中で幕を下ろした。

日本一を勝ち取れた

一夜明けた6日(月)、岡田彰布監督が大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、杉山健博オーナーにシーズン終了を報告した。

その後、百北幸司球団社長と共に会見を行った岡田監督は、「今年就任して1年目で、まずはリーグ優勝を目指してスタートしたが、最終的に日本一も勝ち取れた。オーナーからも感謝と労いの言葉、まだ成し遂げていない連覇とか来年への言葉もいただいた」と晴れやかな表情。「打順の固定、コンバート、ピッチャーの整備、一からのスタートだったが、キャンプからこういう体制でやっていこうと。徐々に強くなるだろう、みんなまだ若くてもっと力をつける能力があると言っていたが、思っている以上に力を発揮できた」とシーズンを振り返った。

「徐々に野球がうまくなって、点が取れるようになって、チームに力がついてきた。こんなに連敗しないことはなかった」という一年。その安定感を支えたのは「先発ピッチャー」だとし、「昨年2桁勝てないピッチャーが、今年は3人も2桁勝つんだから」と大竹、伊藤将、村上の奮闘を称えた。

中でも村上は、投手のMVPに。今季初先発の巨人戦で7回完全試合を演じると、プロ初勝利から一気に10勝を挙げ、最優秀防御率のタイトルも獲得した3年目右腕を「ピッチャー陣の中ではNo.1」と絶賛した。

野手のMVPとして指揮官が挙げたのは、近本と中野の1、2番コンビだ。「先発ピッチャー右左に関係なくバッティングができるし、足がある。相手にとっては一番嫌な1、2番だと思う」といい、「二人がピッチャーに対する打ち方とかを話しているのを聞いて、もう任せておいて大丈夫だなと判断した」と全幅の信頼を寄せていたことを明かした。

声援が力に

岡田監督は来シーズンに向けて、「頭の中ではまだ始まっていない。ちょっとは野球のことを考えずに休みたい」としながらも、「安芸に行ってからそろそろ」と第3クール初日の11日からキャンプ視察へ。「安芸は若い選手ばかりになるが、鍛えると一軍の戦力になる選手もいると思うので、じっくり鍛えて。今のチームにプラスアルファで、また違った膨らみのあるチームにできれば」と先を見据える。

会見では、悲願達成へと後押ししてくれたファンへの感謝も口に。「ファンの人の声援は、本当に力になったと思う。そういう声援に選手たちは甘えずに、力をつけてもっともっと強いチームにしていくのが僕らの使命」と力を込めた。

ファンからの応援を力に、チーム一丸となって掴んだ栄光。さらなる高みを目指し、次は「連覇」に挑む。

最高のチームメート、最高のファン

6日(月)、戦いを終えたコルテン・ブルワー投手、ジェレミー・ビーズリー投手、シェルドン・ノイジー外野手、ヨハン・ミエセス外野手が帰国の途に就いた。

ノイジーは、日本シリーズで2試合連続ホームラン。第7戦の先制3ランで日本一に大きく貢献し、シリーズの優秀選手賞を獲得した。レギュラーシーズンでは、133試合に出場して打率.240、56打点、9本塁打。レフトの守備ではリーグ最多の12補殺をマークし、強肩でピッチャーを助けた。

先発と中継ぎで18試合に登板し1勝2敗、防御率2.20だったビーズリーは、日本シリーズ第2戦で4回途中から2回1/3を無失点。「とても長いシーズンだったけれど、最高の形で終えることができたから良かったね」と日本でのシーズンを振り返り、「できる限りチームの勝利に貢献できるように頑張ったけれども十分ではなかったから、またプレーする機会があればもっとチームの勝利に貢献したい。このチームが好きだし、またここに戻って、最高のチームメート、最高のファンと一緒に戦いたいね」と来季への希望を語っている。

鍛錬の11月

8日(水)、日本シリーズメンバーだった湯浅京己投手、小幡竜平内野手、小野寺暖外野手ら8選手が、1日から安芸で行われている秋季キャンプに合流した。

来季に向けて「当然、新しい力が必要」という岡田監督は、「ピッチャーを(ドラフトで)獲ったから、野手やな。若いのを11月のキャンプで何人か鍛えて、一軍の戦力を作らなあかん」とチームの底上げを厳命。そのためには「11月が一番いい。2月からやって体力ができているから、あとは技術を教えられる。2月はチームとして機能しないといけない部分があるから、11月は個人の能力を上げる意味では一番」と秋季キャンプの重要性を説く。

今季、小幡は開幕スタメンを掴むもショートのレギュラーの座を木浪に譲り、小野寺はキャリアハイの43試合に出場し打率.347をマークしたが、スタメンは17試合に留まった。初日からキャンプに参加している井上広大外野手、前川右京外野手も、一軍出場機会を得ながら定着とはならず、まだ本来の力を発揮できていない。

より強くなるため、チームの「新しい力」に。来季へ向けた若手選手たちの戦いは、すでに始まっている。