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誕生日だ!初の鯉料理

初回から効率よく得点を重ねた阪神が、先発左腕の好投もあり、広島の8連勝を阻んだ。

阪神にも在籍した広島・新井貴浩内野手が、今季限りで引退する事を表明した。試合前は、この話題一色の感があったマツダスタジアム。広島先発・九里に対する阪神は、前夜と同じ打線の顔触れで臨む。初回一死後、北條・福留・糸井と3連続四球で満塁から5番 陽川・内野ゴロの間に先取点が入った。続く大山がフルカウントからの変化球を捉え左越えに3号3ランを放って、立ち上がりに4点を奪う。

「打ったのはフォーク。ファウルで粘りながら、いいポイントで打つ事が出来た。初回に得点を挙げることができて良かった」。4月7日以来という久しぶりの本塁打に大山悠輔内野手が、その感触を口にしている。

阪神は、27歳の誕生日を迎えたサウスポー岩貞が先発。広島は、バティスタが5番。打撃好調の西川が6番に上がって8番には強打の會澤が座りスタメンマスクを被る。立ち上がり、いきなり先頭・野間に左二塁打を打たれる。二死を取るも4番 鈴木に左中間へ28号2ランを運ばれて初回に2点を失った。

4回表 阪神は二死から梅野の左中間二塁打と岩貞・四球で1・2塁として1番 糸原の右前適時安打で1点を追加する。糸原健斗内野手は、「打ったのはスライダー。二死からチャンスを作ってくれて回ってきた打席だし、とにかく追加点が欲しい場面だった。ゲームの中盤に得点する事が出来て良かった」と振り返っている。

5回裏 広島は西川・田中の連打で無死1・2塁と岩貞を攻めつける。8番 會澤を三ゴロ併殺に取ると、九里の代打・新井が登場。両球団に所縁のある主役の登場に場内は大いに盛り上がるが、阪神バッテリーは落ち着いて外角速球で新井を空振り三振に退けてピンチを脱した。続く6回裏 岩貞は二死後 3番 丸に速球を逆方向へ飛ばされて左越え32号ソロ本塁打を浴びて5対3と迫られる。いつもながらにカープ打線のチャンスボールを一発で仕留める勝負強さを見せつけられた思いだ。

2本塁打は浴びたものの、腕も振れて攻めの投球だった岩貞は7回(98球)を投げて7安打7三振 無四球3失点。

広島3人目・今村が登板した8回表 阪神は俊介・四球、梅野・犠打と代打・原口のシーズン代打21本目となる左前安打。その代走・植田の盗塁で一死2・3塁とする。ここで糸原が前進守備の一・二塁間を破る右前適時安打を放ち、貴重な2点が追加する。

これでグッと勝利を引き寄せた阪神は、その裏 能見がサード大山の美技にも助けられて広島の攻撃を3者凡退に仕留める。すると9回表には広島4人目・佐藤から梅野や代打・ナバーロの適時打などで4点を加え、試合を決定づけた。前日プルペンで唯一登板の無かった望月が、その裏を抑え 阪神が11対3で広島を下した。広島の連勝は今季最多の7でストップしている。

ヒーローインタビューは、プロ5年目。通算18試合目の対戦で広島に悲願の初勝利を挙げた岩貞祐太投手だ。「野手の方にたくさん点を取って貰ったので、しっかり腕を振って投げて行く事が出来た。(カープに)やっと勝ててホッとしている。(毎回、登板前に何試合勝ってないが?といった質問を受けていたので)それが無くなるか?と思えば、ちょっと嬉しい。誕生日に登板出来て、更に勝てて本当によかった。(これからも)ホントに勝って行くしかないので、一球一球に想いを込めて全力で投げて行きたい」と話している。

「負けはしたけど(昨晩)選手の試合に対する気持ちとか、執念とかが見えたんでね。今日は何となく昨日の繋がりで試合が出来るんじゃないかなと思ってましたけどね」。金本知憲監督が快勝のゲームを振り返る。「(初回大山の本塁打について)まぁまぁ3ランなんて久しぶりなんじゃないかな。(本塁打自体もそんなに出ない状況で)先制パンチとしては大きかった。(その前に)陽川が何とかインサイド詰まりながら、しぶとく1点取って…それはそれで褒めてあげたいし。その後続かない事が多かったんでね。それが本塁打と言うのは大きいよね、チームにとっては」。

終盤に突き放した糸原の2点打に関しては、「めちゃめちゃ大きいですよ。(代走・植田)海のアレ(盗塁)もあったし。(植田の走塁がなければ)1点しか入ってなかったのかな?というのもあるし。足っていうのは見えないところで、かなり」モノを言う事を強調する。勝った岩貞にも、「なんか、投げ方覚えたようなね。(良い意味で)ちょっと何か軽く投げてるようには見えましたけどね。(被弾した)2本というのは、低めをネ。打った相手を褒めないといけない高さだと思うし、2本の本塁打に関しては、何もボクは思わないし」
と成長した左腕に賛辞を贈って会見を締めていた。